The Colony
1979年の夏、アイルランドの西にある島に、イギリス人の中年の画家ロイドが、島民の案内で船で渡ってくる。彼の絵はロンドンで人気が低迷していた。島の独特の岩礁を描くことで「北半球のゴーギャン」になり、ディーラーの妻を見返してやろうとロイドは画策している。島は過疎化が進んでおり、島民は彼のような外部の人間に家を貸すことで貴重な現金収入を得ていた。
ロイドが到着すると、すぐにもうひとりの訪問者、フランス人の言語学者マソン(通称JP)が島にやってくる。彼は過去5年間、毎年この島を訪問してゲール語の調査を行っている。島民たちは英語ではなく、古い土着の言語を主に使っていた。マソンはこの研究成果で大学教授のポストを確実なものにしようと目論んでいる。
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