Easy to Learn, Difficult to Master: Pong, Atari, and the Dawn of the Video Game

Pongの開発者ラルフ・ベアと、アタリの創業者ノーラン・ブッシュネル.「ビデオゲームの父」の称号をめぐるライバル関係を描いたグラフィック・ノベル。先日読んだクライブ・シンクレア(シンクレア)とクリスカリー(エイコーン)の”Micromen”ライバル関係を思い出させる。

ナチスの迫害を逃れドイツからアメリカへ移住したユダヤ人であるベアはエレクトロニクスのエンジニアとして働いた。60年代に彼はテレビでゲームができると思いつき、世界初のビデオゲームと言われるPongを開発し、1972年に世界初のビデオゲーム機マグナボックス・オデッセイを世に送り出した。

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Amstrads and Ataris: UK Home Computers in the 1980s

1980年代のイギリスにおけるマイコンブームの代表的機種と企業を紹介する懐古趣味のガイド。アメリカや日本とは少し違う80年台がある。日本では実機を目にすることがほぼなかったが、雑誌で憧れの目で見た海外の名機たちが蘇る。写真もたっぷりある。

Apple社のApple II、Atariの2600、CommodoreのC64、Amigaなどの世界中で売れた機種と企業も出てくるが、それらの企業は他の本でもよく紹介されている。この本が詳しいのはイギリス国内で高いシェアを持っていたAcorn社、Sinclair社、そしてAmstrad社だ。

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Commodore: A Company on the Edge

パーソナルコンピュータの黎明期は、歴史修正主義者によって、アップルやマイクロソフトやIBMが中心だったかのように不当に書き換えられてしまったが、最初のパソコンはコモドールが作ったし、普及させたのもコモドールである、という渾身の反撃。西和彦も岩田聡も、コモドール日本支社のオフィスにたむろする”グルーピー”に過ぎなかった。

この本はコモドール社という今は亡き会社のドキュメンタリだが、80年代のコンピュータ草創期の貴重な証言を多く含んでいる。暴君ジャック・トラミエルと天才チャック・ペドルを中心に同社の黄金時代が細部まで丁寧に書かれている。ドラマチックで面白すぎ。★★★★★。

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Whole Earth: The Many Lives of Stewart Brand

『Stay Hungry, Stay Foolish』のスチュアート・ブランドの評伝が出た。作家ジョン・マルコフが長期間の本人インタビューをもとに書き上げたオフィシャルで決定版的なバイオグラフィーになっている。デジタル系カウンターカルチャーの源流を知る、思ったよりも曲がりくねった旅。副題は”The Many Lives of Stewart Brand”。読んだ後訳すとすれば『数奇な人生』かな。面白かった。

1966年、LSDでトリップしながら屋根の上に寝そべっていた時、28歳のスチュアート・ブランドは人々が地球全体(ホールアース)を撮影した写真を見れば、人類の意識が変わると考えた。NASAに地球の写真の一般公開を呼びかけた。「なぜ我々は地球全体の写真を見たことがないのか?」という質問を印刷したバッジを配布するキャンペーンを開始した。

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The Founders: The Story of Paypal and the Entrepreneurs Who Shaped Silicon Valley

イーロン・マスクが世界をかき回す今、まさに旬なのがマスクの原点を知るこの本だ。★★★★。シリコンバレーを牛耳る「ペイパルマフィア」のすべて。この集団からTesla、Facebook、YouTube、SpaceX、Yelp、Palantir、LinkedIn等、何百もの有名ベンチャーが生まれた。

ペイパルマフィアの源流は2000年、ふたつのスタートアップの合併に始まる。

ひとつは1998年12月設立のオンライン決済サービスConfinity(ピーター・ティール マックス・レヴチン、ルーク・ノゼック)で人気PDAのPalmPilotの赤外線通信を使った送金サービスを事業としていた。PalmPilot同士の送金への特化はあまりにマニアックだった。そこでメールによる送金機能を加えたところ、オークションのeBayユーザーに大人気となり急成長した。

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After Steve: How Apple Became a Trillion-Dollar Company and Lost Its Soul

アップルの時価総額は2011年ジョブズの死去時に約3500億ドルだったが2022年1月には約8.5倍の3兆ドルを超えた。この奇跡的成長を牽引したのがこの本の2人の主役CEOのティム・クック、CDOのジョニー・アイヴだ。アイヴが魔法と発明で需要を作り出し、クックがメソッドとプロセスでその需要を満たした。しかしジョブズとアイヴの時代と比べると「魔法よりもメソッド、完璧さよりも持続力、革命よりも改善の勝利」だった。

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